ウェブ解析士って必要?ウェブ解析士の資格を取得するメリット

ウェブ解析士について

私は2018年にウェブ解析士の資格を取得し、同年上級ウェブ解析士の資格も取得しました。

ウェブ解析士の資格を取得するとき、私は「ウェブ解析士の資格って取得して何か意味があるの?」とGoogleなどで先人たちの意見を探りまくった経験があります。Googleで「ウェブ解析士」と検索するとき、予測検索に「ウェブ解析士 いらない」とも出てきますよね(笑)。なので、みんな同じような疑問を持っていることがわかります。

今回はウェブ解析士の資格をとって5年ほど経った私が、資格を取得しようか迷っている方に向けて、資格を取得してよかったことなどを書いていこうと思います。

ちなみに「ウェブ解析士って何?」という方は、まずはウェブ解析士協会公式サイトをご覧ください。

ウェブ解析士の基本情報

ウェブ解析士とは一般社団法人ウェブ解析士協会が発行している民間の資格です。国家資格ではありません。ウェブ解析士協会のサイトに下記のように説明してあります。

昨今のマーケティングにおいて、インターネットを使わない選択肢はありません。アクセス解析をはじめとしたウェブ解析データを活用し、デジタルマーケティングを通して事業の成果を導く人材、それがウェブ解析士です。

ウェブ解析士は、ウェブ解析スキルを身につけ、データを読み取り、正しい判断ができるスキルを習得することを目標としています。

https://www.waca.associates/jp/course/wac/

Webサイトのサイト設計やアクセス解析を通して、企業の成長をサポートする人材、それがウェブ解析士です。

ウェブ解析士には「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」の3つがありますが、初めて試験を受ける場合は「ウェブ解析士」の試験から始まります。

ウェブ解析士の人数は2022年12月現在、正会員は約1万1100人、累計受講者は約5万人となっております。

ウェブ解析士の受講費用はいくら?

ウェブ解析士認定試験17,600円(税込)
上級ウェブ解析士認定講座88,000円(税込)
ウェブ解析士マスター認定講座440,000円(税込)
※2023年3月1日現在の価格となります。

ウェブ解析士の受講費用は上記のようになっています。「ウェブ解析士認定試験」の他に「ウェブ解析士認定講座」というものがありますが、ウェブ解析士認定講座の受講は必須ではありません。資格を取得するためにはウェブ解析士認定試験を受講する必要があります。ウェブ解析士認定講座はウェブ解析士としての基礎的な知識を学ぶ講座となりますので、ウェブ解析の基礎を身に付けたい方、試験合格に自信がない方などは受講をお勧めいたします。

上級ウェブ解析士・およびウェブ解析士マスターは試験だけではなく、講座も受講する必要があります。ウェブ解析士試験よりも難易度がかなり上がりますので、時間に余裕を持って取り組む必要があります。

ウェブ解析士についてもっと詳しく知りたい方はウェブ解析士協会公式サイトをご覧ください。↓↓↓

2024年のウェブ解析士試験のスケジュールはこちらになります。↓↓↓

ウェブ解析士認定試験

私がウェブ解析士の資格を取ろうと思った理由

私はいくつかの制作会社に10年ほど勤めたあと、フリーランスとして独立しました。会社勤めの時はクライアントと直接打ち合わせをする機会は少なく、私の仕事は「Webサイトを作る事」と言う認識でいました。

しかしフリーランスとして独立し直接クライアントと打ち合わせするようになってから、この考え方はガラッと変わりました。私の仕事は「Webサイトを作る事」ではなく、「Webを使ってクライアントの目標を達成するサポートをする事」であると認識するようになりました。

Webサイトを開設しただけで目標を達成できることはほとんどありません。Webサイトで目標を達成させるためには、試行錯誤を繰り返しながら時間をかけてサイトを成長させていく必要があります。成長し続けていくWebサイトを作るためには今までの知識だけでは足りない、もっとWebサイトだけでなく、Webマーケティング全般の知識を持たなければいけないという思いから、Webについて総合的に勉強をし直そうと思いました。そこで出会ったのがウェブ解析士です。

ウェブ解析士の資格を取得するメリット

ウェブ解析士の資格は国家資格のように「この資格がなかったら〇〇できない」という類の資格ではありません。つまり取得したからといってすぐに何かができるようになることはありません。

じゃあ別にいらなくない?

まあ、そう言われるとそうなのですが、私は取得して良かったと思っています。良かった点を下記にまとめてみます。

  • ウェブ関連の知識を広く浅く学ぶことができる
  • 同業者の知り合いが増える
  • ウェブ解析士協会という団体を利用することができる

ウェブ関連の知識を広く浅く学ぶことができる

ウェブ解析士の資格を取得するためには試験があります。試験ではウェブに関しての幅広い知識を求められ、この幅広い知識を学ぶという行為そのものが自分の仕事に対してとても役に立ちました。

私はウェブ解析士の資格を取った時点で、Webデザイナーになって13年ほど経っていました。なのでWebサイト構築についての知識のほか、サーバの知識やSEOの知識、Web広告の知識なども多少はありました。ですのでウェブ解析士の試験なんて簡単に受かるだろうと思っており、早速テキストを取り寄せたのですが、このテキストがまあ、大きいこと。

ウェブ解析士テキスト

大きさがわかるようボールペンを置いてみました。さらにこのテキストは分厚いのです。平面だと分かりづらいので、どれだけ分厚いか動画にしてみました。

この分厚さ。そしてテキストの中身は文字ばかり。私は2018年に取得したのですが、2019年は2018年の1.5倍ほどの厚さになっており、さらに2020年は厚さこそ2019年より薄いですが、その代わりサイズが大きくなっております。ちょっとした鈍器ですね。この本の内容、全部知ってなくちゃいけないの?と絶望したのを覚えています。※ちなみに現在のテキストはPDFになっています。

私はテキストに掲載されていた内容は知ってることが多かったので、なんとか読み進めることができたのですが、それでも今まで触れてこなかった内容がたくさんありました。

Webサイトを作る目的は人によって色々あると思いますが、一般的に「Webサイトから集客して売り上げを上げる」をゴールとした場合、そのゴールまでにはさまざまな道のりがあります。

  1. webサイトを作る。
  2. Webサイトのアクセスを見て、サイトの状況を確認する。
  3. もっとWebサイトを見てもらえるよう、広告を出したり、コンテンツを増やしたりする。
  4. 広告を出す場合はターゲットやキーワードを選定し、より効果の高い媒体で出す。
  5. 新規顧客を増やすためにSNSを運用する。

などなど。Webサイトを本当の意味で活用するためにはさまざまな戦略があります。

テキストには「ウェブ解析の知識・ウェブ広告の知識・SNS・ビジネスフレームワーク・イーコマース」など、Webマーケティング関連に必要な内容が網羅されています。これらの中の一つのことに特化した書籍などはよく見かけますが、これらの内容を全て満遍なく網羅した書籍はなかなかありません。ですので「Webマーケティング関連の情報を満遍なく勉強したい」という要望を叶えるにはとてもお勧めできるテキストです。

「Webサイトを使って結果を出すためにはさまざまな工程が存在し、さまざまな戦略を立てる事ができる」という知識を得ただけでも、ウェブ解析士の資格を取得する立派な理由ではないかと思います。

同業者の知り合いが増える

ウェブ解析士協会を通して、全国に同業者の知り合いが増えました。これは私にはとても良かった事です。

元々1人でフリーランスをしていたので、他の同業者の方がどのような作業をしているかを知りませんでした。ウェブ解析士協会では会員向けのセミナーや委員会活動もあり、このような場所で知り合いを増やしていく事ができます。ちなみにセミナーや委員会参加は任意ですので、もちろん参加しなくても大丈夫です。

ウェブ解析士協会には、ウェブのエキスパートがたくさん在籍されています。このような方々と知り合う機会ができたことは、私の中の世界を広げてくれました。

ウェブ解析士協会という団体を利用することができる

ウェブ解析士協会には会員をサポートする様々なサービスがあります。

例えば「デジタルパートナー(Digital Partner)」。これはウェブ解析士協会がデジタル化に困っている中小企業とウェブ解析士をマッチングするというサービスです。ウェブ解析士であれば、誰でも無料で登録ができます。せっかく取得したウェブ解析のスキルをなかなか使う場所がない方は、ぜひこのようなサービスを利用してはいかがでしょうか。

その他、協会内の運営に関わることで実績を積むという方法もあります。

私は今ウェブ解析士協会の公式インスタグラムの運営チームに所属しているのですが、これがとても勉強になる。一緒に作業をしているメンバーももちろんウェブ解析士ですので、困った事があれば気軽に相談できます。協会の運営側も基本的には会員の自主性を重んじるスタンスですので、色々とチャレンジさせてくれるというとても良い環境です。

もちろん協会の運営に全く関わらなくても大丈夫です。むしろ関わっていない人の方が多いと思います。ただ、協会の運営に関わると、周りは知識を持った方が多いので、色々と勉強になります。「ウェブ解析をしてみたいけど、1人でやるのは自信がない」というかたはまずは運営に携わってみるというのでもいいのではないでしょうか?

ちなみにこちらは2021年にインスタ運営を通じていただいた「ウェブ解析士アワード2021」の盾です。めちゃくち光り輝いています。

ウェブ解析士アワード2021

デジタル推進委員になれる

デジタル庁には「デジタル推進委員」という制度があります。デジタル推進委員とは「デジタル機器やサービスに不慣れな方にきめ細かなサポートなどを行うことで、社会全体として、デジタル社会の利便性を誰一人取り残されず享受できる環境を作っていくための取組(注1」であり、ウェブ解析士の資格を保有している方はデジタル推進委員として登録することが可能です。

デジタル推進委員になりたいけど、そうやってなればいいかわからない!という方はぜひウェブ解析士の資格を取得して、デジタル推進委員に登録しましょう!

注1)https://www.digital.go.jp/policies/digital_promotion_staff/ デジタル推進委員の取組より抜粋

ウェブ解析士資格の取得方法

ウェブ解析士の資格を取得したい場合は、ウェブ解析士協会公式サイトウェブ解析士認定試験より申し込みが必要です。

試験公式テキスト(PDF)を購入

まずは「ウェブ解析士 認定試験公式テキスト」を購入しましょう。ウェブ解析士の試験はこのテキストを読んでいる前提で行われます。テキストと言ってもPDFのデータになります。

自信がない方は認定講座を受講(任意)

試験合格に自信がない方はウェブ解析士認定講座を受けてみましょう。試験対策ができます。この講座は任意ですので、講座を受けなくても試験を受けることは可能です。

オンライン試験に申し込む

ウェブ解析士認定試験ページから試験の申し込みをしましょう。試験はオンラインで行われます。ちなみに試験の合否は試験終了直後に判定されます。

万が一不合格の場合はもう一度申し込むことで再試験を受けることができます。

ウェブ解析士で得た知識を実践で使えるようにするために

ウェブ解析士の試験は受けることで幅広いウェブに関しての知識を知ることができますが、知識はあくまでも知識で使わなければ意味がありません。試験で学んだ知識を実践で使っていき、生きた知識にしていく必要があります。

私は実践でいきなり使う自信がなかったため「上級ウェブ解析士の資格を勉強する」「積極的にウェブ解析士の運営に参加する」という方法で少しずつ自信をつけていきました。

上級ウェブ解析士の資格を勉強する

ウェブ解析士には「上級ウェブ解析士」と「ウェブ解析士マスター」というより高度なスキルが必要とされる上位資格もあります。私は「上級ウェブ解析士」の資格を取得することにしました。

上級ウェブ解析士とはウェブ解析士協会サイトで下記のように説明されております。

多くのマーケティングフレームワーク、ビジネスフレームワークを使い、ウェブにとどまらないお客様の経営課題にまで踏み込んだKPIの設計から、データに基づいた根拠のある提案ができるようになります。
ウェブコンサルティングとして必要なスキルを体系的に学べるカリキュラムです。

https://www.waca.associates/jp/course/swac/

ウェブ解析士はオンライン試験のみですが、上級ウェブ解析士の試験では実際に架空のクライアント案件を想定した課題が出されます。その課題の中で、事業分析・ペルソナ設定などウェブマーケティングの設計や立案を行い、最終的にレポートの提出までを行います。その一連の流れを講師が細かく採点します。

実際に案件を想定するので、より実践的な経験ができます。ウェブ解析士で得た知識を実案件でどのように活かせば良いのかがわかる講座となります。

協会のYoutubeでもウェブ解析士と上級ウェブ解析士との違いについて説明しておりますので、ぜひご覧ください。

私が思う上級ウェブ解析士取得のメリットをブログで書きましたので、よければこちらも読んでみてください。

積極的にウェブ解析士の運営に参加する

ウェブ解析士協会には会員をサポートする様々なサービスがあります。

前述しておりますが「デジタルパートナー(Digital Partner)」で自分に見合った案件を紹介してもらい実績を積むこともいいですし、私のようにウェブ解析士協会のインスタ運営に携わって実績を積んでいくという方法もあります。

Youtubeでお話しさせていただきました

ちなみにウェブ解析士協会の公式Youtubede、ウェブ解析士資格をとってよかったことなどお話しさせていただいております。よければこちらもご覧ください〜

桑島

最後になりますが、ウェブ解析士の資格を取るかどうか悩んでる方に少しでもお役に立ちましたら嬉しいです。これから受講を決められた方、頑張ってくださいね!